
FXの口座開設を検討する時に、スプレッドの狭さ、取引ツールの使いやすさ、ホームページの分かりやすさなどが基準となりますが、「取引の約定力」も重要です。
例えば、相場が荒れている時に取引すると、約定がつかずに拒否されてしまうことや発注時のレートと約定レートが乖離するスリッページが頻発するような業者が存在します。
FXにおいては提示されたレートで素早く約定する約定力も重要なポイントになるため、FXの約定力についてしっかり理解しましょう。
FXの約定の仕組み
顧客が取引画面で注文を発注すると、その注文は瞬時にFX業者から銀行へ流れ、FX業者と銀行で約定が成立した場合、顧客へ注文成立データを返します。
この一連の処理は、まばたきよりも早いスピードで行われるため、注文が成立した時は意識することはありません。
約定拒否とは?
しかし、銀行から提示されるレートは毎秒変化するため、例えば110.10の時に顧客が買いの注文ボタンを押しても、FX業者から銀行にデータを流す時にはレートが110.11に変化することがあり、この状態で取引を成立させると業者が損をしてしまうため、顧客へは「約定不成立」という形でデータを返すことがあります。
これを「約定拒否」といい、顧客にとっては取引機会を逃すだけでなく、再度発注する必要があり、二度手間となってしまいます。
さらに、約定拒否は経済指標の発表後やマーケットが荒れている時ほど起こりうるもので、再度発注する時にはレートが不利な方向に動いていることが多いのです。
スリッページとは?
レートが110.10の時に買い注文を発注、約定不成立にはならなかったものの、顧客にとって不利なレート、例えば110.12で約定がついてしまうことがあります。
このように注文時の価格と実際に約定した価格がずれてしまうケースがあり、これを「スリッページ」と呼びます。
スリッページが発生する原因としては、顧客と業者、業者と銀行の間でのデータの処理時間にはどうしてもタイムラグが発生するためです。完全にスリッページをなくすことは難しいですが、FX業者によってはサーバーやシステムを強化するなどの対策をとり、スリページがほとんど発生しない業者もあります。
スプレッドが狭く、ディーラーがいる業者では故意的に顧客の注文をスリップさせて業者が収益を上げるようなところもあり、頻繁にスリッページが起きるような業者では取引しないのが賢明です。
約定力のあるFX業者とは?
最近では各業者もこの約定力に力を入れており、HPで約定拒否率やスリッページ発生率を開示している会社が多いので、HPを確認したり、サポートセンターに問い合わせてみましょう。
また、スリッページは顧客に不利な場合だけでなく、有利なレートで約定するケースも同様にあり、スリッページに関するデータも有利・不利のそれぞれの数字を開示している業者は信用できるといえます。
スプレッドが0.3銭と謳っていても、0.2銭すべって約定すると、実質、スプレッドは0.5銭に。
FXは相場が動いている時ほど、約定の早さと安定さが求められます。業者の約定力についてもしっかりリサーチしたうえで口座開設を検討するようにしましょう。
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